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750TURBO  ヘッドオーバーホール9 [BIKE]

えーっと、何処まで書いたっけ。

そうそう、オイルパンを分解したんだった。

P5011590.JPG

分解したオイルパンに残っていた油を流し切ると、中から結構な量の砂と小石、ガスケットの
削り屑が出てきた。
開けたのは無駄ではなかったということだ。

そういえば、以前からオイル交換するとドレンボルトのネジがざらつくような感触があったが
これが原因か。

どうやら以前分解された際に十分養生をせずに、クランクケース内にゴミを落として
しまったようだ。
私が落としたのではない証拠は、写真のオイルポンプのストレーナにびっしり付着した
ガスケットの削り屑だ。エエ加減なやっつけ仕事の痕跡がアリアリだったので、
こんな事態があってもおかしく無い。見た目が良ければそれでいい人種もいるということだ。
技術者としてのプライドは無いのだろう。

さて、気を取り直して洗浄して観察。

P5011592.JPG

結構塗装がヤレている。
カウリングに隠れて見えなくなってしまう部分だが、やはり気になる。
マスキングをしてブラストを掛けて、これも耐熱塗料で焼付け塗装を行うことにした。

P5011594.JPG

ブラストをして、間髪入れずに塗装を行う。
24時間乾燥させてから焼付けを行うのだ。

その間、腰上の組み立てを開始。

P5011593.JPG

前回落っことしたダンパーゴムはスーパーX で貼り付けた。
今回はもし内部に部品を落としても回収できるように、オイルパンを組まずに行う。

シリンダーベースガスケットにパーマテックスのガスケットスプレーを薄く塗布して暫く放置。
カムチェーンスライダーをクランクケースに載せ、オリフィスとOリングを忘れず装着すし、
ガスケットを載せて、シリンダーを載せてゆく。

ピストンリングを慎重に押し込み、ガスケットがずれていないことを確認してケースに密着させる。
かなり気を使う場面だ。

カムチェーンをトンネルから引き出しておいて、ヘッドガスケット、オイルラインピース、Oリング、
ノックピンを取り付けて、ヘッドを載せる。
この時点でカムシャフトは組んでいないので、クランク位置は何処でも問題ない。

この状態で締め付けナットを締めこんでゆくが、最後にカムチェーントンネル内のM8ボルトを
締めている最中に事故発生。

トルクは3kgf/mの指定だが、2回に分けて締めこんだところ、後ろ側が1.5kgfも掛からず
どんどん回る。最悪の手応えだ。

P5021597.JPG

引き抜いたところ、ねじ山が付いてきた。
ここまで来てやり直しかorz

嘆いていても埒が明かないので近所のストレートに走る。
ネジ穴リペアキットを買い込み、シリンダーのネジ穴修正開始。
周囲をガムテープで養生してからドリルで下穴を刳る必要があるのだが、真上にフレームがあって
ドリルが入らない。普通ならシリンダーを抜くのだが、一回締め付けてしまっているので
ガスケットのことを考えると抜きたくない。
そこで、ドリルの刃をウォーターポンププライヤーで摘んで手作業で穴刳りを行った。
相手がアルミなので、こんな荒業も可能。

下穴が開いたらタップ建て。
P5021596.JPG

下側はカムチェーンテンショナーの取り付けボルト穴に貫通しているので、慎重に
深さを測りながらタップを建てる。
ねじ山が形成できたらヘリコイルを挿入してタブを折り取って作業完了。

周囲を念入りに掃除して、再度ヘッドを載せて締め付ける。

P5021598.JPG

指定トルクは4kgf/m。
マニュアルには2回に分けて締めろとあるが、3回に分けて締めこんだ。
この辺は「気は心」という奴だ。

1-4トップを出しておいてからカムシャフトを載せて、タイミングを確認するが・・・
何度やってもマニュアル通りの位置にカムチェーンが来ない。
サービスマニュアルの絵の通りにスプロケットの合いマークが来ないのだ。
よくよく観察すると、合いマークがおかしいのではなく、カムチェーンのリンク位置が
絵と違う位置でしか止まらない。なんだろう?
マニュアルの間違いなのか、固有の問題なのか判らないが、半駒分だけタイミングが
ずれる。チェーンが伸びているのか?

思案の結果、タイミングが早くなるほうに半駒ずらして組み付けた。
遅いのは論外だ。この作業に数時間費やした。

カムチェーンテンショナーは組み付けた状態で、ロック用のテーパーシャフトをフリーに
した状態で組み付けを行う。チェーンが弛めば押し、張れば戻る状態だ。
この頃だけ採用された側面からテーパーシャフトを押し込むタイプのテンショナーだが、
組み立てるときは楽だ。
現在のボールロックタイプはシャフトの磨耗や作動不良があってあまり好きじゃないのだ。

バルブクリアランスはヘッド組み付け前に調整完了している。
クリアランスの基準値は許容範囲が示されているが、このちょうど真ん中をターゲットに
広くなる方向になるよう調整した。

何故ならバルブのクリアランスは狭くなる方向にしか変動しないからだ。
リフターが磨耗すれば広くはなるが、正常な潤滑が行われている限りはリフターの
磨耗は無視できる。もしくはカムホルダーかカムシャフトのジャーナルが磨耗すれば
広くはなる。これも潤滑に問題が出ない限り発生しない。

潤滑は正常で当たり前なので、それ以外で隙間が変化する要因といえば、バルブシートの
沈み込みと、バルブフェースの磨耗だ。
入念に擦り合せを実施したとはいえ、エンジンが回転すると擦り合せ時とは比較にならない
力と熱と衝撃が数え切れない回数発生する。
熱的にも潤滑的にも非常に厳しい環境下で馴染みも発生するだろうと予測しているのだ。
これは避けられない現象なので、広めのクリアランスで馴染んでも基準値から外れることが
無いようにとの配慮だ。

P5021600.JPG

エンジン本体は組みあがった。給排気関連の部品を組み付けて、ちょっと化粧直し。

P5031601.JPG

GPz系の空冷エンジンは、ヘッドのフィン端面が機械加工仕上げされてアクセントになっている。
塗装してここにも塗料が付着しているので、粗めのペーパーで磨いてヘアライン仕上げとした。
周辺の塗装を傷めないようにマスキングを行ってから作業。

P5031602.JPG

補機の組み付けに際して、サージタンク裏のプレッシャーセンサーのダンパーゴムが
劣化してカチカチになっていたので、新品に交換。有難い事にまだ部品が出る。

さて、腰上の組み立てが終わったので、オイルパンの組み立てを開始。
ヘッドを組んでいる間に焼付けの終わったオイルパンの組み付け準備をした。

P5021599.JPG

ターボのオイルパンは二階建て構造になっている。
下側にタービンからのオイルリターン専用のオイルパンが追加されているのだ。
ここはOリングでシールされるのだが、このリングが欠品だ。
ゴム紐から作ってもいいが、ちょうどいい太さのゴム紐が無かったので、ジョイントシートを
使ってシールすることにした。

オイルパン中央にある2本のボルトで締め付ける構造だ。
ボルト穴のあるダボが周囲とツライチなので、そのまま外周だけ取り付けるとここに隙間ができ、
ボルト周辺からオイル漏れを起こす原因となる。
かと言って、ここに同じ厚さのパッキンを入れると周囲の締め付けが甘くなる。

なので、外周部のパッキンは1mm厚さ、ボルト穴周辺は0.5mm厚さで切り抜き、
ガスケットペーストスプレーを塗布してから組み付けた。

これでここからの漏れは治るだろう。

P5011595.JPG

オイルパンのパッキンは左がターボ用、右がZR-7用。
万一のことを考えて、コピーをとっておいた。
もう一度外す必要が生じても、これで切り出すことが可能だ。

随分と平面が多いデザインだが、外周の形状は一緒。
平面部はバッフルプレートの役目を果たすと推測。
オイルの泡立ちを抑え、気泡の噛み込みによるタービンの損傷を防ぐのではないか。
開発中に何かそういうトラブルがあったのかもしれない。
ターボ特有の構造だ。

タービンから戻ったオイルは、前述の小さな小部屋に溜り、ここから別のオイルポンプで
汲み上げられてオイルパンに戻る。これもターボ特有の構造だ。
このオイルラインがクランクケースとオイルパンに設けられており、ここが他のザッパー系の
エンジンとの最大の相違点だ。
すなわち、ターボのクランクケースだけが特別あつらえになっていて、互換性が無いのだ。
他にもタービンのマウントボスが付いているとかいろいろ違いがある。

念を入れて締め付けを確認した後、新品のフィルターを組み込み、オイルを注入。
使用する銘柄はシェル・ヒリックス・ウルトラだ。
マセラーティと共用だ。
4輪用のオイルはダメだとか言われているが、今のところ問題が出たことは無い。
むしろ、ターボ用のオイルが無い二輪用は如何なものか・・・とか思っている。

外装を組み付け、始動を試みたところ、一瞬火が入ってからは火が入る気配が無い。
ガス欠気味なのと、バッテリーが弱っているのも原因か。
ブースターケーブルを接続して、自動車用バッテリーで始動した。

以前はカチャカチャと騒々しかったメカノイズは消え、新車のような静かさになった。
ゴッゴッゴッ・・・と少し脈動しながら回っていたアイドリングもズオーッと継ぎ目の無い
連続音で回るようになった。

魂が宿った瞬間だ。

P5031605.JPG

P5031606.JPG

雨が上がったら慣らし運転に出かけよう。


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コメント 2

ash_institute

新車のような静かさ、継ぎ目の無い連続音のアイドリング、素晴らしいですね。
ああ良かった。こういう、色々あっても最後良しの日記は読んでて気持ちいいです。
by ash_institute (2015-05-04 22:28) 

sato

300km程走ってみました。距離が伸びるにつれて軽く回るような感じがします。ピストンリングの馴染みが完全に出たと判断するまでは5000rpm以下で回していますが、それでもブーストが掛かるとフロントを持ち上げそうになりながら加速します。このエンジンの整備は成功でした。
友人に「マフラー変えたの?」と言われるほど音質が変化しました。
きちんと全てのシリンダーで均等に燃焼することが肝心ですね。
by sato (2015-05-09 20:34) 

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